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Databricks Data + AI Summit 2026 参加レポート🚀 AIエージェント時代のデータ基盤と、gaipackの活用スキーム(仮説)

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Syuhei Honma

Databricksは今、単なるデータ基盤の会社から「AIエージェントを安全に動かすための基盤」を提供する会社へと大きく踏み出しています。米サンフランシスコで開催されたDatabricks Data + AI Summit 2026(DAIS 2026)に参加し、その変化のスピードを肌で感じてきました。本記事では、現地で見えてきたDatabricksの新サービス群と、それらをgaipackでどう活用していくかの仮説を整理します。


Databricksという会社の急成長ぶり

Databricksはもともと、Apache Sparkを開発したメンバーが2013年に創業した会社です。データレイクとデータウェアハウスを統合する「レイクハウス」というコンセプトを打ち出し、現在は「Data Intelligence Platform」を掲げてデータとAIの基盤づくりを進めています。

その成長スピードは驚異的です。2025年12月には評価額1,340億ドル(当時のレートで約20兆円)のシリーズL調達を発表し、2026年6月にはさらに1,650億〜1,750億ドルへの追加調達交渉が報じられるなど、非上場企業として世界最大級の評価額を持つ企業のひとつになっています。売上も年率60%超のペースで拡大しており、Fortune 500企業の7割が同社のプラットフォームを利用しているとされています。

DAIS 2026もその勢いを裏付ける規模でした。2026年6月15日〜18日、サンフランシスコのMoscone Centerで開催され、現地参加者は3万人を超え、バーチャル参加者も合わせると150カ国以上からさらに多くの参加者が集まったとされています。KDDIアイレットとしても複数名で現地に参加しました。

基調講演でCEOのアリ・ゴディシ氏が語ったメッセージが印象的でした。要約すると「AIに足りないのは知能ではなく、企業文脈(自社データ)である」という主張です。最新のLLM自体はすでに十分賢く、問題は各社に散らばったデータとAIがつながっていないことにある、という指摘は、まさに今のAI活用でぶつかる壁を的確に言い当てていると感じました。


DAIS 2026で発表された注目サービス

今回のDAIS 2026では、既存のレイクハウス(Delta Lake、Unity Catalogなど)に加えて、「AIエージェントをどう安全に動かし、企業の文脈をどう与えるか」に踏み込んだ発表が相次ぎました。特に注目したサービスを整理すると、次のようになります。

サービス位置づけ(WHAT)なぜ必要か(WHY)2026年6月時点のステータス
LTAP(Lake Transactional/Analytical Processing)Lakebase(サーバーレスPostgres)とレイクハウスを1つのDelta/Iceberg上に統合し、OLTPとOLAPを単一コピーで扱う新アーキテクチャETLパイプラインやレプリカを介さず、AIエージェントが常に最新データへアクセスできるようにするためLakebaseの新機能として展開開始
Genie One / Genie Agents業務データをもとに回答・作業を代行する「AIコワーカー」(Genie One)と、誰でも作れる業務特化型エージェント(Genie Agents)チャット止まりだったGenieを、実際にタスクを実行できるレベルへ引き上げるため一般提供(GA)
Genie Ontology表・クエリ・ダッシュボード・連携アプリ(Slack、Google Drive等)から自動的に用語や定義を抽出し、企業の「意味」を継続学習するナレッジグラフLLMの当て推量を減らし、精度向上・レイテンシ低減・トークンコスト削減につなげるためプレビュー
Genie ZeroOpsパイプライン・ジョブ・テーブル・MLモデルを常時監視し、異常を検知・自動対応する常駐エージェント「作る」より「保守する」ほうが重くなりがちな運用フェーズを肩代わりするためプライベートプレビュー
Agent Bricksモデルやハーネスを問わずエージェントを開発できるプラットフォーム。セキュアサンドボックス・評価・監視・メモリなどを一括提供エージェント開発の本質はループの実装ではなく、その周辺(コスト管理・デプロイ・評価など)にあるため開発者向けプラットフォームとして拡張発表
Unity AI Gatewayモデル・エージェント・MCP・スキルを横断する統制レイヤー。利用制限、コスト管理、監査ログなどを一元化複数のLLMプロバイダーやMCPが乱立する中で、ガバナンスとコスト管理を効かせるため一部機能ベータ提供
OmnigentClaude CodeやCodexなど複数のコーディングエージェントを束ねる「メタハーネス」。OSS(Apache 2.0)として公開エージェントごとに操作方法やコンテキストが分断される問題を解消するためOSS公開・マネージドベータも提供
OpenSharingDelta Sharingを拡張し、データだけでなくAIモデルやエージェントスキルもゼロコピーで共有できるオープンプロトコル。Linux Foundationがホストベンダーロックインを避けつつ、AI資産を組織・クラウドをまたいで安全に共有するため提供開始・Marketplace連携も拡充

俯瞰すると、Databricksの狙いは「AIが動く層(Genie / Agent Bricks / Omnigent)」「統制する層(Unity AI Gateway / Unity Catalog)」「データ基盤層(Lakebase / Lakehouse / OpenSharing)」の3層を1つのプラットフォームでつなぐことにあると感じました。AIの通信は必ずゲートウェイを通り、すべてUnity Catalogで統治する、という設計思想が徹底されています。


gaipackでの活用スキーム(仮説)

DAIS 2026で得た情報をもとに、gaipackのAIDDスキームにどう組み込めそうか、現時点の仮説を整理しました。あくまで検証前の仮説段階であることをご了承ください。

ゲートウェイ構成:ハブ&サテライト

Databricksアカウント1つにつきSSO1つ、Gateway1つが基本単位になります。案件ごとにワークスペースとUnity Catalogを立て、AIの利用予算やガバナンスをUnity AI Gateway経由で統制する「ハブ&サテライト」型の構成を検討しています。お客様側のAWSアカウントで個別にゲートウェイを持ちたいというケースにも、同様の構成で対応できそうです。

GitHub Codespaces + Omnigentのハイブリッド構成

現状のgaipack AIDDスキームは、GitHubプロジェクトで管理しながらDevContainer・Codespaces上でClaude Codeのスキルを使って実装するという構成です。ここにOmnigentを組み合わせることで、Claude CodeやCodexをgit worktreeで並列稼働させつつ、Unity AI Gateway経由で利用モデルを制御するハイブリッド構成にできないか、という仮説を持っています。セキュリティ要件が厳しい案件ではUnity AI Gatewayを必須にし、そうでない場合は各自のClaudeサブスクリプションをそのまま使う、といった使い分けも可能になりそうです。


まとめ

Databricksは、単なるデータ基盤の会社から「AIエージェントを安全に動かすための基盤」を提供する会社へと進化しています。DAIS 2026で発表されたLTAP、Genie One、Agent Bricks、Unity AI Gateway、Omnigent、OpenSharingは、いずれも「AIに企業文脈をどう与え、どう統制するか」という同じ課題への回答です。

Databricksは無料のFree Editionを提供しており、今回発表されたGenie Code・サーバーレスGPU・Lakebase・Agent Bricks・Lakeflow Designerなども無料枠で試すことができます。まずは実案件や日々の業務の中で、小さくでも触ってみることから始めていきたいと思います。gaipackとしても、今回整理したスキームを実際に検証しながら、社内で継続的に情報共有していく予定です。

Databricksを軸にしたデータ基盤づくりやAIエージェント活用にご興味がある方は、お気軽にKDDIアイレットへご相談ください。


参考リンク