
gaipack とは何か、お客様にどう説明しているか
gaipack をご紹介する場で最初にお客さまが感じる疑問は、ほとんど同じです。「つまり、 gaipack とは何ですか?」。サービスの提供開始からまもなく 1 年、プリセールスとしてこの質問に答え続けてきた立場から、お客様にどう説明しているかを整理します。
説明すること自体が仕事になった
cloudpack の営業を担当していた頃、サービスそのものの説明を求められることはほとんどありませんでした。AWS や Google Cloud のパートナーとして認知されていて、お客様は当社の実績をある程度ご存じの状態でお問い合わせをくださる。だから最初からヒアリングに入れました。
gaipack は、こちらからお伺いして「これは何で、どこに強みがあるのか」を説明するところから始まります。大手のお客様の場合、gaipack が何かを理解いただくために打ち合わせを 2 回、3 回と重ねることもありました。営業活動のうち、説明そのものに使う時間が大きく増えたのがいちばんの変化です。
これは cloudpack が特別に分かりやすかった、という話でもないと思います。「cloudpack とは何ですか」と改めて聞かれたら、私も一言では答えられません。AWS の構築もやっていれば、リセールも運用保守もやっている。ブランドとはそういうもので、認知が先にあったから説明が要らなかっただけでした。gaipack はまだその段階にありません。
最初に伝えるのは「ソリューションを束ねたブランド」
「パック」という語が付くせいか、チャットボットを導入してくれるサービスなのか、AI のプラットフォームを提供するサービスなのか、という前提で聞き始めるお客様が多くいらっしゃいます。そこで最初に、gaipack は単一の製品ではなく、複数のソリューションを束ねたブランドである、と認識をそろえます。
内訳は 3 つのシリーズ、約 20 のサービスです。
| シリーズ | 位置づけ | 含まれるもの |
|---|---|---|
| AIDD | 開発プロセス(How) | 要件定義・デザイン・MVP・モダナイズ・CMS・PMO・インハウス |
| gaibot | AI プロダクト(What) | gaibot / gaibot Pro |
| gaipack | AI 活用基盤(Base) | スターター・コンサルティング・ペイ・キャンプ・セキュア・ガバナンス・コネクト・BI・オプス・タレント・BPO |
ここが揃わないまま個別サービスの話に入ると、話がかみ合わなくなります。
「他社の AI 駆動開発と何が違うのか」に答える
いまはどのベンダーも AI駆動開発 を掲げているので、ブランドの説明の次には必ずこの質問が来ます。私は 2 点で答えています。
1 点目は、要件定義から実装・テストまで、開発工程全体で AI と人が共存するスキームが整っていることです。AI をどこに使うかは組織によって粒度が違い、実装の一部だけ、あるいはテストケースの生成だけ、という段階のところもあります。当社は工程をつないだ形で運用していて、前の工程の成果物が次の工程の AI のインプットになります。役割分担の考え方は「人間の判断をより正確で高速にするための支援ツールとして AI を位置づける」で、AI にすべてを任せる想定ではありません。
2 点目は、一定の規模の実案件で動いていることです。医療情報基盤の開発、人材マッチング基盤のモダナイズ、そして進行中の大規模な基幹システムの刷新があります。数百万円規模の PoC で止まらずに実案件まで到達している、という点は説明すると伝わりやすい部分です。
パッケージではないので、ヒアリングが前提になる
gaipack は、決まった機能を導入していただく形ではなく、お客様の課題からソリューションを設計します。そのため、ご紹介の次は必ずヒアリングになります。
進め方としては、初回のお打ち合わせは営業が伺い、技術的なヒアリングはプリセールスが担当します。必要に応じて、その場でお見せするためのデモも作ります。情報共有とご提案・デモまでは無償で、そのアウトプットにご納得いただいてから実プロジェクトの相談に進む、という順番です。
関わり方を 3 つに分けて整理する
サイトには約 20 のサービスが並んでいますが、お客様との関わり方という切り口で見ると、大きく 3 つに分かれます。この分け方をすると理解いただけることが多いです。
| 関わり方 | 内容 | よくあるご相談 |
|---|---|---|
| 受託開発 | AIDD で開発を一気通貫で実行する | 老朽化したシステムを刷新したい、新規立ち上げの社内リソースが足りない |
| 内製化支援・研修 | AIDD のノウハウを技術移転して自走を支援する | AI 駆動開発を自分たちで使えるようになりたい |
| プロダクト・基盤提供 | すぐに使えるソリューションを提供する | 社内ナレッジが散在している、AI をセキュアに使いたい |
最近は内製化支援・研修のご相談が増えていて、受託開発と半々くらいの感覚です。KDDI の営業経由でエンタープライズのお客様や歴史のある事業会社の情報システム部門をご紹介いただくケースが多く、そこからのご要望が目立ちます。一方で、規模が大きくなるとセキュリティの懸念もあって、ベンダーに任せたいというご要望も引き続きあります。
「内製化支援」は、もう一段踏み込まないと伝わらない
3 つのうち、受託開発の説明はそれほど難しくありません。AI 駆動開発でどれくらい効率化できるか、属人化をどう防いで品質を担保するかをお伝えすれば伝わります。
難しいのは内製化支援です。「内製化を支援します」とだけ言っても、具体的に何をするのかイメージが湧きません。実際「それは何をやるサービスなんですか」とよく聞かれます。私は次の 3 つに分けて説明しています。
実プロジェクトへの伴走
AI 駆動開発の知見があるメンバーがメンターとして、お客様の実プロジェクトに入ります。手を動かすのが当社側かお客様側かは案件によって変わります。カリキュラムを座学で消化する形ではなく、実際のプロジェクトを題材に技術移転する AIDD インハウス が 3 ヶ月の伴走型サービスとして用意されています。座学から入りたい場合は、カリキュラム型の AIDD キャンプ が入口になります。
プラットフォームの提供
AI 駆動開発の環境そのものをお渡しします。ガードレール、SSO 認証、AI の利用状況の可視化を備えたセキュアな利用基盤(gaipack セキュア)と、AI が読める形に整えた開発リポジトリの 2 つです。リポジトリには当社が案件で使っているスキルが入っていて、お客様のルールに合わせてカスタマイズしたうえでお渡しします。このリポジトリは受託開発でも同じものを使っていて、案件ごとに磨かれて日々アップデートされています。
ガバナンスづくり
社内に AI の利用ガイドラインがなく、これから作りたい、というご相談です。KDDIアイレットは AI マネジメントシステムの国際規格である ISO/IEC 42001 を自社で取得しているので、その経験に基づいて一緒に策定します(gaipack ガバナンス)。
強みの説明は、相手によって変わる
「KDDIアイレットの強みは何ですか」もよくいただく質問です。答えは一つに定まらず、ご検討の状況によって説明の順番を変えています。
規模の大きな案件では大手のシステムインテグレーターと並ぶことが多く、AI 駆動開発を前面に出しているベンチャーと並ぶこともあります。当社はちょうどその中間に位置していると考えていて、前者と並ぶ場面では着手までの速さを、後者と並ぶ場面では KDDI グループとしての信頼性をお伝えします。同じ強みでも、どれを先に出すかで届き方が変わります。
ブランド名を前に出さないこともある
すでに cloudpack でお付き合いのあるお客様からは、「cloudpack とは違うんですか」というご質問をいただきます。ここは会社としての方針にも関わるところですが、お客様にとって大事なのは、KDDIアイレットが AI 駆動開発をやっているかどうかだと考えています。
そのため、gaipack というブランド名を前面に出さず、KDDIアイレットの AI 駆動開発のケイパビリティとして説明することもあります。ブランドを覚えていただくことがゴールではないので、伝わる言い方を選びます。
まとめ
お客様にお伝えしている内容を整理すると、次のようになります。
- gaipack は単一の製品ではなく、3 シリーズ・約 20 サービスを束ねたブランド
- 特徴は、開発工程全体で AI と人が共存するスキームと、一定規模の実案件での適用実績
- 課題から設計するため、ヒアリングが前提になる
- 関わり方は受託開発、内製化支援・研修、プロダクト・基盤提供の 3 つ
- 内製化支援は、伴走・プラットフォーム・ガバナンスまで分解すると伝わる
これから 2 年目に入ります。ブランド名の浸透そのものより、AI 駆動開発を組織のケイパビリティとして広げていくことに力を入れていきます。
情報共有とご提案・デモまでは無償で承っています。まだ漠然とした段階でも構いませんので、お気軽にKDDIアイレットへお問い合わせください。
※ 本記事の内容は公開時点の情報です。サービスの名称・内容・料金は予告なく改訂されることがあります。