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技術解説・Tips

Claude Code「Dynamic Workflows」で仕様書のない88画面を10分で調査してみた🚀

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Takahiro Kamei

Claude Codeの新機能「Dynamic Workflows」を使い、仕様書が存在しない既存システムの画面調査を行いました。数十〜数百のサブエージェントを裏側で並列稼働させる仕組みで、88画面の調査を約10分で終えられました。本記事では仕組みの解説と、実際に使ってみて分かった注意点をまとめます。


やりたいこと・前提

既存システムの改修を検討する際、まず現状の仕様を把握する必要があります。しかし仕様書が残っていない画面が多いシステムでは、1画面ずつ実装を読んで仕様の有無を確認する作業に多くの時間がかかります。

Claude Codeで通常の会話ベースの調査を行う方法もありますが、対象画面が数十を超えると会話のコンテキストが肥大化し、後半になるほど調査の精度が落ちる課題がありました。この課題を解決できるか確かめるため、Dynamic Workflowsを使った調査を試しました。

Dynamic Workflowsとは

Dynamic Workflowsは、大規模なタスクを丸ごと並列処理するために、裏側で数十〜数百のサブエージェントを活用するClaude Codeの機能です。2026年5月28日に研究プレビューとして提供が始まり、2026年7月時点では一般提供(GA)に移行しています。Proプランでも /config から有効化できるようになりました。

従来のClaude Codeは、Claudeが会話の中でエージェントの起動を都度判断し、各エージェントの結果を自身のコンテキストウィンドウに蓄積していく方式でした。タスクが大きくなるほどこのコンテキストが膨らみ、精度低下につながります。

Dynamic Workflowsでは、この計画をJavaScriptのスクリプトとして管理します。スクリプトが各エージェントの起動・順序・条件分岐を制御し、中間結果はスクリプトの変数として保持されるため、Claude自身のコンテキストには最終的な結果だけが残ります。このアーキテクチャの違いが、精度低下を防ぐ仕組みです。

安全対策として、同時実行数は最大16エージェント、1回の実行あたりの総エージェント数は最大1,000エージェントに制限されています。

使い方

Dynamic Workflowsは、次のいずれかの方法で起動できます。

  1. プロンプトへの「ultracode」キーワードの入力:単発のタスクをワークフローとして実行したいときに使う
  2. /effort ultracode によるセッション全体での有効化:セッション中の実質的なタスクすべてでワークフロー実行を自動判断させたいときに使う
  3. スラッシュコマンドとしての再実行:一度実行して良かった内容を保存し、コマンドとして繰り返し使う(ビルトインの /deep-research も同じ仕組み)

初回実行時は、計画されたフェーズが画面に表示され、実行前に確認を求められます。実行中は /workflows コマンドでいつでも進行中・完了済みのワークフロー一覧を確認でき、各エージェントの処理状況・トークン消費量・実行時間をリアルタイムで見られます。

実際に検証してみた

プロジェクトで、仕様書が存在しない既存画面の調査にDynamic Workflowsを使ってみました。1画面につき1エージェントを割り当て、仕様書の有無を並列で調査させる方法です。

結果として、88画面の調査が約10分で完了しました。トークン消費量は約240万トークンでした。/workflows の進捗画面では、各エージェントがどの画面を担当し、どこまで処理が進んでいるかをリアルタイムで確認できました。

コンテキストが画面ごとに独立しているため、調査漏れなく全画面を網羅できました👏。通常の会話ベースの調査であれば、後半の画面ほど確認が甘くなるリスクがありましたが、その懸念を払拭できました。

運用上の注意点

良いことばかりではなく、使ってみて分かった制約もあります。

トークン消費量は通常の会話より明らかに多く、並列数と用途を見極めずに大規模なリファクタリングへいきなり投入すると、想定以上のコストになりかねません。まずは範囲を絞ったタスクで消費量の感覚をつかんでから、対象を広げるのが安全です。

また、/workflows の進捗画面を開いて監視している間は、他の入力操作がしづらい場面がありました。この挙動はバージョンや実行モードによって変わる可能性があるため、業務フローに組み込む際は最新の挙動を確認することをおすすめします。

単発の短いタスクであれば、Dynamic Workflowsを使わず通常の会話で対応する方が速く済みます。効果を実感できたのは、あくまで対象範囲が広く、かつ網羅性が求められる調査だったからです。

まとめ

項目内容
起動方法プロンプトに「ultracode」//effort ultracode/スラッシュコマンド
エージェント数上限同時16、合計1,000
検証結果88画面の仕様調査を約10分・約240万トークンで完了
向いている用途大規模リファクタリング、横断的な調査・監査
向いていない用途単発の短いタスク
提供状況(2026年7月時点)一般提供(GA)。Max/Teamはデフォルト有効、Proは /config から有効化、Enterpriseは管理者による有効化が必要

仕様書のない大規模システムの調査は、これまで人手で地道に進めるしかない作業でした。Dynamic Workflowsのように並列処理と検証を組み込んだ仕組みが使えるようになったことで、こうした調査の所要時間を大きく縮められる可能性があります。社内でも継続的に活用範囲を広げていきたいと考えています。

より詳しい仕様は公式ドキュメントもあわせてご確認ください。