工数入力が続く仕組みを GAS アプリ 2 つで作った話
工数入力を本人の頑張りに任せるのをやめて、続く仕組みとして 2 つの Google Apps Script(GAS)アプリを作りました。作業の開始・終了をワンクリックで記録する「工数タイマー」と、記録し忘れた時間を Google カレンダーの予定から埋める「工数補完アプリ」です。チーム 4 名で 2026 年 7 月から約 4 か月運用し、記録は 2,514 件、毎月 500〜700 時間分の記録が途切れずに続いています。
工数入力が続かない理由
担当しているのは、法人向けシステム開発案件のプロジェクトマネジメントです。工数は案件の進み具合や見積の精度を確かめる材料になるので、チームで記録を続けたいと考えていました。ただ、以前に試作した仕組みでは入力が定着しませんでした。
振り返ると、続かなかった理由は 3 つありました。
- 記録が面倒で後回しになる: 案件を探して入力する手間が重く、つい月末にまとめて入力しがち
- 一度抜けると戻れない: 記録し忘れが積み上がると、何をしていたか思い出すのが大変で、そのままあきらめてしまう
- 続けても見返りがない: 入力しても自分の稼働が見えないので、やる意味を感じにくく習慣にならない
どれも本人のやる気ではなく、仕組みの側で解決できる問題です。そこで、「手軽に記録できる」「抜けても戻れる」「続けた成果が見える」の 3 つの条件をそろえることを目標にしました。
3 つの条件を 2 つのアプリで満たす
3 つの条件を 1 つのアプリに詰め込まず、日々の記録と後追いの補完で役割を分けました。どちらのアプリで入れた記録も同じ記録シートに保存され、工数タイマーの集計タブにまとまります。
| アプリ | 役割 | 満たす条件 |
|---|---|---|
| 工数タイマー(記録タブ) | 作業の開始・終了をその場でワンクリック記録 | 手軽に記録できる |
| 工数タイマー(集計タブ) | 合計工数・日別の推移・稼働割合を表示 | 続けた成果が見える |
| 工数補完アプリ | 記録の空白時間を検出し、カレンダーの予定から補完 | 抜けても戻れる |
工数タイマー:選んで「開始する」を押すだけ
続けるために最初に手を付けたのは、記録のハードルを下げることです。工数タイマーでは、担当者・プロジェクト・案件を選んで「開始する」を押し、作業が終わったら「終了して記録」を押すだけで記録シートに保存されます。必要ならメモも残せます。
入力の手間を減らすため、次の工夫を入れています。
- 担当者は一度選べば次回から記憶する
- 最近の記録をクリックすると、同じプロジェクト・案件をすぐに選び直せる
集計タブでは、今月・直近 7 日・任意の期間で絞り込み、合計工数と件数を確認できます。日別の推移グラフとプロジェクト別の稼働割合(%)も表示するので、記録したその場で自分の稼働が見えるようになりました。
左が記録タブ、右が集計タブの画面です。番号は操作の順番を表しています。
※ プロジェクト名・案件名はダミーに置き換えています。
工数補完アプリ:抜けた時間をカレンダーから埋める
どれだけ手軽にしても、開始ボタンの押し忘れは起きます。工数補完アプリは、押し忘れた日にも記録へ戻れるようにするためのアプリです。
使い方は次の流れです。
- 担当者と期間を選んで「編集開始」を押す
- 対象日を ◀ ▶ で 1 日ずつ確認する
- 記録の空白時間が表示されるので、「この時間で行を追加」で行を足す
- その時間帯の Google カレンダーの予定を「この予定を追加」でワンクリック入力する
- 記録表で案件・時刻・メモを直す
- 「この日の内容を記録シートに保存」で、工数タイマーと同じ記録シートに反映する
会議の多い日ほど押し忘れが増えますが、会議はカレンダーに予定として残っています。抜けやすい時間ほどカレンダーから拾えるので、補完の手間はそれほどかかりません。運用してみて、日次の締めに 1 日分をまとめて整える使い方が一番続けやすいと感じています。
Google Apps Script だけで完結させた構成
2 つのアプリはどちらも GAS の Web アプリとして作り、Google Workspace の外に何も置いていません。
| 層 | 使っているもの |
|---|---|
| 画面 | GAS の Web アプリ(HTML / JavaScript) |
| 処理 | GAS(サーバー側) |
| データ | Google スプレッドシート(記録・集計) |
| 予定の取得 | Google カレンダー |
この構成にしたことで、サーバーも追加費用も不要になりました。社内の Google アカウントでそのまま使えるので、ログインや権限の仕組みを新たに作る必要もありません。
プロジェクトや案件の一覧もスプレッドシートで管理しています。チームメンバー全員に編集権限を付けているので、新しい案件が始まったときは、GAS の作成者に頼まなくても誰でも追加できます。
開発には Claude を使い、少人数・短期間で作っては直すを繰り返しました。最初から全部の機能をそろえたわけではなく、毎日使っているチームのメンバーから出た要望をもとに、困りごとに合わせて機能を足しています。
チーム 4 名・約 4 か月の運用実績
2026 年 7 月からチーム 4 名で運用し、7 月 7 日から 10 月 31 日までの記録シートを集計した結果は次のとおりです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 利用メンバー | 4 名 |
| 運用期間 | 約 4 か月(2026 年 7 月〜) |
| 記録件数 | 2,514 件 |
月別の記録工数は次のとおりで、4 か月で合計 2,400 時間を超える記録が残っています。
| 月 | 記録工数 |
|---|---|
| 2026 年 7 月 | 543.5 時間 |
| 2026 年 8 月 | 714.9 時間 |
| 2026 年 9 月 | 599.1 時間 |
| 2026 年 10 月 | 562.6 時間 |
数字以上に変わったのは、チームの記録の付け方です。毎日その場で記録するのが習慣になり、押し忘れた日もその日のうちに補完して戻せるようになりました。稼働割合が見えるので、記録する意味も実感しやすくなっています。
まとめ
工数入力が続かない原因を「記録が面倒」「抜けると戻れない」「見返りがない」の 3 つに分け、それぞれを工数タイマーと工数補完アプリで受け持つ形にしました。GAS とスプレッドシート、Google カレンダーだけで動くので、追加の費用をかけずに小さく始めて、使いながら育てられます。
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※ 本記事は、著者の知見や登壇内容をもとに生成 AI を活用して作成し、著者・編集部が内容を確認しています。




