
長文は読む前に図にする:Claude × Excalidraw 活用法
長い文章を受け取ったら、読む前に Claude に Excalidraw の図にしてもらうと、理解するまでの時間も、人に説明するまでの時間も短くなります。架空の経費精算規程を題材に、Claude に図を描かせる手順と、できた図を手で直してチームへの説明に使うまでの流れを紹介します。
速くしたいのは、AI の生成より人の理解
Claude に何かを聞くと、見出しと箇条書きで整った長い回答が数秒で返ってきます。スクロールしながら「だいたい分かった」と次へ進むものの、いざその内容を誰かに説明しようとすると言葉に詰まる、という経験は多いはずです。
AI が書く速さはすでに十分に上がっていて、いま詰まっているのは、出てきた情報を人が理解する工程です。モデルが賢くなるほど回答は詳しく長くなるので、待っていてもこの詰まりは解消しません。そこでこの記事では、次の 2 つを速くすることを目標にします。
| 用語 | この記事での意味 | 対象の例 |
|---|---|---|
| インプット | 情報を自分の頭に取り込み、理解すること | AI の長い回答、仕様書や規程、議事録 |
| アウトプット | 頭の中にあるものを相手に渡すこと | チームへの説明、資料の骨子、認識合わせ |
図解がなぜ理解を速くするのかという背景は、AI 時代の読む時間は、図解で短くできる で整理しています。ここでは、その図を Claude と Excalidraw で実際に作る方法に絞ります。
Excalidraw は人にも AI にも扱いやすいホワイトボード
Excalidraw は、ブラウザで開いてすぐに使える手書き風のオンラインホワイトボードです。アカウントを作らなくても、開いたその場で描き始められます。
Claude と組み合わせるうえで大事なのは、Excalidraw のファイルの中身が JSON のテキストであるという点です。人はドラッグやダブルクリックで直感的に図を触れる一方、Claude はテキストとして図を書き出せます。人にも AI にも扱いやすいので、「AI が下書きして人が直す」という分担が成り立ちます。
キャンバスには図形や文字のほかに、リンク、画面のスクリーンショット、PDF も置けます。たとえば経費精算の業務なら、次のものを 1 枚にまとめておけます。
- Claude が描いた承認フロー図
- 元になった規程の PDF
- 改定について議論した Slack スレッドへのリンク
- 精算システムの画面のスクリーンショット
- 「仮払いの期限は要確認」といった手書きのメモ
図と、その根拠になる資料が同じ場所にあるので、「あの資料はどこだったか」と探し回る手間が減ります。久しぶりにその業務に戻ってきたときや、新しいメンバーに引き継ぐときも、この 1 枚を開けば全体をたどれます。きれいに整理しようとしなくても、関係するものを近くに置いておく程度で十分に役立ちます。
長文をそのまま Claude に渡して図にする
ここからは実際の手順です。題材には、次の架空の社内規程を使います。まずは 30 秒で読み、「誰が、いくらのとき、どの順で承認するか」を説明できるか試してみてください。
2026年12月1日以降に発生する経費から、精算フローを以下のとおり変更します。申請者は、経費発生日から14日以内に経費精算システムへ申請を登録し、領収書の画像を添付してください。領収書のない交通費は経路と運賃を明記すれば申請できますが、1件あたり5,000円を超える場合は事前に上長の承認を得たうえで、承認メールの写しを添付する必要があります。プロジェクトに紐づく経費は申請時にプロジェクトコードを入力してください。この場合、上長の承認の前にプロジェクト責任者の承認が追加されます。申請が登録されると、所属部署の上長に承認依頼が届きます。上長は内容を確認し、承認・差し戻し・却下のいずれかを選択します。差し戻された申請は申請者が修正して再申請でき、再申請後は再び最初の承認者から始まります。申請金額が3万円未満の場合、上長の承認をもって経理部の確認に進みます。3万円以上10万円未満の場合は、上長の承認後に部門長の承認が必要です。10万円以上の場合は、部門長の承認に加えて事業本部長の承認が必要となります。ただし接待交際費については金額にかかわらず部門長の承認が必要で、参加者全員の氏名と所属、目的を申請に記載してください。すべての承認が完了した申請は経理部に回付され、経理部は勘定科目と税区分を確認します。不備があった場合、経理部は申請を申請者に差し戻しますが、この場合は上長の再承認は不要で、修正後は直接経理部の確認に戻ります。経理部の確認が完了した申請は毎月末日で締め、翌月15日に申請者の給与振込口座へ支払われます。月末締めに間に合わなかった申請は翌月分として扱われます。海外出張に伴う経費は外貨建てで申請し、精算時のレートは経費発生日の社内レートを適用します。立替金額が合計20万円を超える見込みの出張については、出張前に仮払い申請を行うことができます。仮払いを受けた場合は帰着後14日以内に精算申請を行い、差額を精算してください。仮払いの精算が期限を過ぎた場合、経理部から上長へ通知が送られます。
初めて読む文章を 30 秒で理解して人に説明するのは、まず無理です。読めたとしても、承認の順番や例外を頭の中で組み立て直すのに時間がかかります。
図を出力させる 3 つのルート
Claude に Excalidraw の図を描かせる方法は 3 通りあります。最初は Mermaid 経由がいちばん手軽です。
| ルート | やり方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Mermaid 経由 | Claude に Mermaid で書かせ、Excalidraw の Mermaid 変換機能に貼り付ける | まず手軽に試したい |
| JSON を直接 | Claude に .excalidraw 形式(JSON)で出力させ、ファイルとして開く | 配置や色まで指定したい |
| MCP 連携 | MCP サーバー経由で、Claude にキャンバスへ直接描かせる | 毎日の業務に組み込みたい |
MCP 連携は便利な反面、外部のサーバーに業務の情報を渡すことになります。使う前に、社内のセキュリティ要件と利用条件を確認してください。
JSON を直接出力させる手順
ここでは、JSON を直接出力させるルートで進めます。規程の文章をそのまま貼り付け、次のように頼みます。
TEXT
この文章を、Excalidrawで図解してください。登場人物と承認の流れ、金額による分岐がひと目で分かるように。返ってきた JSON をファイルに保存し、Excalidraw のキャンバスにドラッグ&ドロップすると、承認フローの図が表示されます。
ここで一度つまずきました。最初に .txt の拡張子で保存したファイルをドロップしたところ、図として読み込まれませんでした。拡張子を .excalidraw にして保存し直すと、問題なく開けます。
同じ手順は Claude に限らず、Gemini や ChatGPT でも使えます。.excalidraw 形式の JSON を出力させられれば、あとの流れは変わりません。
「要約して」の代わりに「図にして」と頼むプロンプト
長い文章を AI に渡すとき、「要約して」と頼むことが多いと思います。ただ、要約で返ってくるのは短くなった文章で、承認の順番や分岐といった構造は自分で組み立て直す必要があります。図にしてもらうと、構造そのものが返ってきます。
図解を頼むときは、目的や粒度もあわせて伝えると、使える図が一度で出やすくなります。
TEXT
【目的】新メンバーに、承認の流れを5分で説明したい【形式】Excalidrawで図解して【粒度】箱は10個以内。矢印には動詞を書く【強調】金額による分岐と、例外は色を変える【補足】図のあとに、読み落としやすい条件を3つ図は画像ではなく図形のまま出てくるので、「金額の分岐を色分けして」のように言葉で直しを頼むこともできますし、あとから手で直すこともできます。
できた図を手で直して、自分の図にする
先ほどの架空の規程を AI に図解させ、Excalidraw 上で手を入れたものが次の図です。承認者ごとのレーン、金額による分岐、差し戻しの経路、例外の補足メモが 1 枚に収まっています。
図を見ると、文章では見えにくかったことが一目で分かります。
- 誰が、どの順で承認するかという全体の流れ
- 金額や経費の種類によって、承認ルートがどう分かれるか
- 「差し戻したら、どこに戻るのか」のような、読み落としやすい条件
元の文章と同じ情報でも、図で見ると頭に入る速さがまったく違います。
ただし、Claude の図をそのまま使うのではなく、5 分ほど手を入れます。Excalidraw では、次の操作を直感的に行えます。
| 操作 | やること |
|---|---|
| 動かす | ドラッグで配置を変え、流れを左から右にそろえる |
| 色を変える | 大事な分岐だけに色を付け、全部は目立たせない |
| 足す・消す | 要らない箱を消し、足りない箱をその場で足す |
| 書き込む・貼る | 手書きのメモ、元の規程、Slack や Google ドライブのリンクを横に置く |
線を手書き風にするか、まっすぐな線にするかも選べます。描き上げた図は、共有リンクを発行すればチームのメンバーも同じキャンバスを見られます。
役割分担としては、Claude が長文から構造を抜き出して、何枚でも下書きを描き直します。人はその図を自分たちの言葉に直し、大事なところを色と配置で強調し、根拠の資料やリンクを横に置きます。手を入れた図は、そのまま自分の理解になり、人に説明するための道具になります。
明日から試せること
次に長い文章を受け取ったときに試せることを、手順に沿って並べます。
- 読む前に、Claude に Excalidraw で図解してもらう。全文を読むのは、図で全体をつかんだあとでよい
- できた図を 5 分だけ手で直す。言葉を直し、大事なところに色を付け、要らない箱を消す
- その 1 枚を画面に映して人に説明する。元の資料やリンクも同じキャンバスに置いておく
社内の文章や企画書、システム設計の資料も題材になります。ただし、AI に渡してよい情報かどうかは、渡す前に必ず確認してください。
AI の回答を読み切れずにタブが溜まっているなら、まずは 1 つ、Claude に図にしてもらうところから始めてみてください。
※ 本記事の内容は公開時点の情報です。サービスの名称・内容・料金は予告なく改訂されることがあります。
※ 本記事は、著者の知見や登壇内容をもとに生成 AI を活用して作成し、著者・編集部が内容を確認しています。






