
生成 AI パスポートを2週間の準備で受けてみた📖
「生成 AI パスポート」を受験して合格しました。準備期間は 2 週間です。受けてみていちばん大きかったのは、点数よりも、業務で扱う情報をどこまで生成 AI に入れてよいかの線引きがついたことでした。
開発の実装は担当していませんが、日常の業務で生成 AI を使わない日がないくらいには使っています。その状態で受けた記録として残します。
生成 AI パスポートの試験形式
生成 AI パスポートは、生成 AI 活用普及協会(GUGA) が主催する資格試験です。試験の形式は次のとおりでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間・問題数 | 60 分・60 問 |
| 出題形式 | 四肢択一式(一部に複数選択あり) |
| 受験方式 | IBT 方式(自宅などのパソコンからオンライン受験) |
| 受験料 | 11,000 円(学生 5,500 円) |
| 実施時期 | 2026 年から年 5 回(2・4・6・8・10 月) |
実施月のうちであれば平日・休日を問わず 24 時間いつでも受けられます。私は平日の仕事終わりに受験しました。実施月の中で日時を自分で決められるので、業務の合間に予定を組みやすい形式です。
出題範囲は全 5 章
私が受けた回のシラバスは 5 つの章に分かれていました。
| 章 | 扱う内容 |
|---|---|
| 第 1 章 | AI(人工知能)の定義・仕組み・歴史・シンギュラリティ |
| 第 2 章 | 生成 AI の仕組みと変遷(ChatGPT・Gemini・Claude など) |
| 第 3 章 | 生成 AI の動向(RAG・AI エージェント・ディープフェイク) |
| 第 4 章 | 情報リテラシーと AI 社会原則(個人情報保護・著作権・セキュリティ・AI 新法) |
| 第 5 章 | テキスト生成 AI のプロンプト制作 |
AI の仕組みから実務のリスク、プロンプトの実践まで幅広くカバーしているのが、この試験の特徴です。
出題の傾向
公式サイトにはサンプル問題が掲載されています(生成 AI パスポート試験 公式サイト)。目を通した範囲では、機械学習の用語を問う問題、テキスト生成 AI にできること・できないことを選ばせる問題、ディープフェイクのような時事的なトピックを扱う問題など、ジャンルの幅が広いという印象でした。難易度としては、落ち着いて読めば選べるレベルの問題が多かったです。
解いていて感じたのは、単純な用語の穴埋めよりも「この場面でどう判断するのが適切か」を問う問題が多いことでした。短期の丸暗記より、その論点がなぜ範囲に入っているのかを理解しておくほうが点を取りやすいと思います。
一方で、この資格を取っても AI の開発や LLM の実装ができることの証明にはなりません。位置づけとしては、生成 AI を安全に正しく使うための基礎資格だと捉えるのが自然です。
2 週間の学習スケジュールと使った教材
学習を始めたのは試験の 2 週間前でした。前半と後半で教材を分けています。
- 1 週目: 書籍で全体像を把握する。仕事終わりの 30 分と週末にまとめて読む時間を作り、1 冊を読み切る
- 2 週目: スマートフォンのアプリで反復トレーニングをする。休憩時間や待ち時間にこまめに問題を解く
使った教材は 2 つです。
1 つ目は『マンガで合格!生成 AI パスポート』という書籍です。マンガで全体像をつかんでから解説を読む流れになっているため、初見の用語もスムーズに入ってきました。専門用語への抵抗感が減ったのはこの本のおかげです。前半の 1 週間はこの 1 冊を読破することに集中しました。
2 つ目は「トレ速」という生成 AI パスポート対応のアプリです。無料版で使いやすさを確かめてから、360 円の有料版を購入しました。一問一答形式でどんどん解いていけるので、通勤時間のような隙間時間の反復に向いています。ブックマーク機能と、間違えた問題だけを出してくれる機能があり、試験直前の 2〜3 日はここに助けられました。
つまずいたところ
毎日 AI を使っていても、初見の単語や知識が 3 割ほどありました。特に法律まわりの用語は、初めて聞くものがいくつもあります。日常的に使っているから大丈夫、とはいきませんでした。
もう一つは、アプリで何度も繰り返すうちに、正解の理由ではなく選択肢のパターンで覚えてしまっていたことです。選択肢の形をなんとなく覚えているだけで、本当に理解できているのか不安になる時期がありました。私の場合は、解説を自分の言葉で説明できるレベルまで仕上げたときに、安定して合格点が取れるようになっています。どこまで詰めれば安心できるかは人によって違うので、一つの目安として読んでもらえればと思います。
受験してわかったこと
実際に受けてみないと分からなかったことが 4 つあります。
- 時間配分: 60 分 60 問に対し、2 回の見直しを含めて 40 分ほどで終わりました
- 選択肢の特徴: 問題文も選択肢も 1 つずつが長く、理由を問う設問が多いため、単語の暗記だけでは厳しいです
- 出題範囲: 公式テキストの内容が満遍なく出題される印象で、ヤマを張るのは難しいです
- 受験環境: 自宅から受けられるのは便利ですが、デュアルモニター禁止などの監視ルールがあります。受験環境は前日までに整えておくことをおすすめします
学習後に変わったこと
学習前は、生成 AI にどこまで案件の情報を入れてよいのかがはっきりせず、出力をそのまま信じてよいのかも毎回少し不安でした。学習後は、その前提知識が整理されました。
- 入力してよい情報と避けるべき情報の線引きがついた
- ハルシネーションを前提に、出力を確認する癖がついた
- 著作権や個人情報の NG ラインが具体的に分かるようになった
出力が怪しいと感じたときは、そのソースを AI 自身に尋ねるようにしています。根拠がはっきりしない回答が返ってくることが多く、それが判断の材料になります。
学習中に意外だったのは、ChatGPT の初期バージョンの挙動でした。最新のモデルに慣れていると、応答に時間がかかったり、事実と異なる回答が返ってきたりしていた当時の様子は、歴史として知らないと想像がつきません。世代ごとの違いを追う問題は実際に出題されたので、ここは資格勉強をしなければ埋まらなかった知識です。
どんな人に向いているか
向いていると感じたのは、業務で生成 AI を使う人、使い方を人に説明する人、社内で AI 導入を進める人です。短い学習時間の割に得るものが大きいと思います。
逆に、プロンプトの書き方やツールの操作だけを学びたい人、基礎知識・歴史・法律よりも実践テクニックを優先したい人には、座学的な内容が多いと感じられるかもしれません。ここは事前に知っておくとギャップが小さくなります。
これから受ける人へ
次の開催は 10 月で、応募期限は 2026 年 9 月末までです。その次は 2 月まで間が空くので、迷っているならまず応募してしまうのがよいと思います。
私は 2 週間前に準備を始めて受験期限の最終日に受けるという、余裕のないスケジュールになりました。可能であれば 3 週間ほど準備期間を取ると安心です。
まとめ
生成 AI パスポートは、AI を安全に正しく使うための基礎資格でした。合格のポイントは、解説を自分の言葉で説明できるところまで落とし込んで理解することです。業務で AI を使う人、説明する人、導入を進める人にとって、最初のステップとして扱いやすい資格だと感じています。
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